事例紹介・逐語訳 / フランス文化省 第2回

事例紹介・逐語訳 文化は適応する 第2回:ルーヴルでは環境移行が始まっている

ルーヴルとフランス博物館研究修復センターの具体例を通じて、博物館分野の関係者は、気候の混乱という課題に対して文化財がどのように適応するかを示しています。私たちの文化遺産を保存するために実施されている革新的な戦略をご覧ください。それは、文化省が推進する環境移行政策の中核にある、極めて重要な課題です。

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セーヌ川沿いの古い宮殿にあるルーヴル美術館は、今日の気候に起因する危険に耐えるようには設計されていません。洪水、気温の急上昇、湿度の不安定さは、いずれも作品の保存と建物の存続を脅かしています。これらのリスクを認識したルーヴルは、早くも2002年に、特に洪水などのリスクから守る計画に着手し、年を重ねながら段階的に強化してきました。この先を見越した対応が、より広い適応の取組みへの道を開きました。その取組みは、文化省が進める気候変動への適応戦略と十分に一致しています。

リエヴァン:気候を考慮して設計された保存施設

洪水リスクの増大に直面し、ルーヴル美術館は2017年には、そのコレクションを移す大規模な事業に着手しました。このように、22万点を超える作品がリエヴァン(オー=ド=フランス)のルーヴル保存センターへ移されました。この建物は、気候変動の影響に対応するよう設計された、文化財保存への新しいアプローチを示しています。

生物気候建築の原則に従って建てられ、簡素で性能の高い設計に基づいています。緑化された屋根、日光の入らない収蔵庫、緑の光、制御された空気処理です。このように、コレクションを保存するために不可欠な条件である最適な気候の安定性を保証しながら、建物とそのエネルギー消費の環境への影響を抑えています。

気候変動の結果である、目に見える劣化を示す石製の胸像。

多くの点で模範となるこの事業は、気候変動の影響から文化遺産を保護することを目指す、国家気候変動適応計画(PNACC-3)の施策44が推進する動きに沿っています。

文化省は、この動きを牽引する役割を果たしています。リエヴァンで実施された原則と整合させながら、同省は数年前から、所管の公的機関をはじめとする文化財施設のレジリエンスを高めるため、その取組みを支援しています。これには特に、危機の際にコレクションの保存を保証するうえで不可欠な、事業継続計画(PCA)と文化財保護計画(PSBC)の策定を強く促すことが含まれます。

分析、研究、レジリエンス:適応の実験室としてのルーヴル

構造面の整備と並行して、フランスの全博物館を支援するフランス博物館研究修復センター(C2RMF)は、作品と文化財建築に対する気候変動の影響を理解するうえで重要な役割を果たしています。特に、次の二つの現象を監視しています。

  • 暑さのピーク。これは構造を弱め、材料を脆弱にし、劣化を加速させます。
  • 強い雨の増加。これは湿度に関するリスク(空気中の湿度の異常な変動)を引き起こし、建物内部の結露を促します。

この第二の現象に関する観察を精密にするため、ICOM France(国際博物館会議)およびICOMOS France(国際記念物遺跡会議)との連携で実施される欧州プロジェクト「Refresh」の一環として、美術館の地面と組積造の壁にセンサーが設置されました。この事業は、特に水循環の管理を最適化することによって、文化財のある場所が気候変動への適応にどのように参加できるかを研究することを目指しています。集められたデータは、とりわけ結露のリスクについて、美術館の詳細な気候の地図化に用いられ、保存の仕組みを対象に応じて予防的に調整することを可能にします。並行して、ルーヴル美術館は各空間の気候の調節を強化しています。極端な現象が起きる際に、内部の湿度と温度をよりよく制御するため、気密性の高い窓が設置され、遮光ブラインドが導入されました。

結露のリスクを評価するために用いられる材料の試料。

科学的な知識と対象を絞った対応を組み合わせるこの取組みは、文化省が適応政策の中で推進する手法の一例です。同省は特に、所管施設や応用研究プログラムを通じて、この手法を推進しています。

取組みを体系化するための文化財エコロジー計画

2023年から、ルーヴル美術館は全ての活動に気候の課題を組み込むため、文化財エコロジー計画に取り組んでいます。具体的には、建物の管理、持続可能な保存、職員の研修、エコデザイン、包摂性に関する活動を進めています。そこには、適応を文化施設の専門的な実践を変える手段にしようという、文化省で広く共有された意思が表れています。

この計画は、文化省が2023年に公表した「文化の環境移行のための方向づけと着想のガイド」で定められた方向性に沿っています。この参照文書は、方法論上の指針、具体的な経験の報告、そして行動の手段と目標を提示することで、文化組織が自らの適応の取組みを体系化し、強化するよう、その移行を支援します。

ルーヴルの中心部からリエヴァン、そしてC2RMFに至るまで、共通する動きがあります。先を見越して備え、適応し、伝えることです。共通の取組みは、これからの気候の課題に向けて、より十分な備えと強靱さを持ち、対応の手段を積極的に備える文化遺産という、意欲的な道筋を描いています。

「10の解決策で適応する」は、気候変動の影響に対応するための具体的で効果的な行動を促進することを目指し、環境移行省(MTE)が推進する取組みです。このシリーズは、環境移行に着想を与え、支援するため、さまざまな分野における模範的な事業、実践、革新を取り上げています。その中には、この記事で紹介している文化も含まれます。

ルーヴルは気候変動にどのように適応しているのでしょうか?

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原典:La culture s’adapte #2 : au Louvre, la transition écologique est engagée(フランス文化省、2025-08-04)。翻訳:気候変動と文化財。本文は原文の見出し・段落・列挙・引用・キャプションの順序を保って日本語へ翻訳しています。原文中の予定や日付は原典時点の記述です。

原典本文と翻訳の利用ライセンス:CC BY-SA 3.0 FR。原文を日本語に翻訳しています。文化省の利用条件。写真等の第三者の権利は本文と別に扱います。文化省による本翻訳の承認を示すものではありません。